
二十四節気「大暑」に入ると、暑さが最高潮を迎え、蝉の声が対岸の木々の茂みから伝わってきます。雅膳の冷鉢は葛素麺です。白海老の甘みも加わり涼やかな一皿です。
季節のうつわは「緑切子苧環形向付」です。
苧環(おだまき)は、糸を巻いて環状にしたものです。
高山植物の苧環は、それとよく似た形で白馬一帯に見られるます。
特に宇奈月側に多く見られます。
二十四節気「大暑」に入ると、暑さが最高潮を迎え、蝉の声が対岸の木々の茂みから伝わってきます。雅膳の冷鉢は葛素麺です。白海老の甘みも加わり涼やかな一皿です。
季節のうつわは「緑切子苧環形向付」です。
苧環(おだまき)は、糸を巻いて環状にしたものです。
高山植物の苧環は、それとよく似た形で白馬一帯に見られるます。
特に宇奈月側に多く見られます。
雪解け水が流れる黒部川の河原から、夏の風物詩である河鹿の鳴き声が聞こえてきます。 ガラスの器が映える頃となりました。夏の料理の一皿、 才巻海老と夏野菜の焚合せです。
季節のうつわは「硝子片口平皿」です。片口の平皿で、富山在住の作家の作品です。
富山は明治、大正期に手作りのガラスの薬瓶製造が盛んで、多くのガラス職人がいました。富山大空襲により廃墟と化します。容器はガラスからプラスチックに用途が変わっていきます。その後、富山市が「ガラスの街」を目指し、人材育成や産業・芸術振興に力を入れ、現在では多くの作家が活躍しています。
料理は、季節感が大切です。ガラスの器には料理を生かしてくれるものが多くあります。夏の料理によく使います。
匠膳の小付は、焼鮎と糸瓜素麺です。焼鮎で取った旨味出汁でお召し上がりください。
季節のうつわは「青白渦文硝子向付」で地元作家の作品です。
清流を思わせる涼しげな器です。
初夏は、鰈が美味しくなります。さっぱりとした西京焼きがお勧めです。富山湾で獲れるカレイの仲間にはヒレグロ、アカガレイ、マコガレイなどがあります。ヒレグロやアカガレイは水深200m前後に生息するので、底引き網やごち網で漁獲されます。マコガレイは比較的浅いところに生息し、お刺身がお勧めです。
季節のうつわは「緑釉筏長角皿」です。紐状の粘土を束ねて筏状にします。緑釉の濃淡は宇奈月の青山に相応しく、合わせて涼しさも感じさせます。
延楽雅膳の強肴は、富山湾の梅貝や蒸鮑の貝寄せです。梅貝は、地元で最も食べられる貝で、エゾバイ科の巻貝です。富山湾に生息する種類は、オオエッチュウバイ、カガバイ、ツバイ、エゾボラモドキです。水深200~1000mの深海に生息します。従って漁獲方法としては、籠の中に餌を入れて行う籠網業業です。
季節のうつわは「浅葱交趾波刻筒向付」で、海の色と波を表しています。
夏は浅葱交趾の色合いが映えます。合わせる地酒は、滑川市の千代鶴酒造の特別純米酒「恵田」です。館主が3年間低温熟成させた、希少価値のある「恵田」もあります。
梅雨が明けると、夏野菜の収穫が本格的なる。雅膳の一皿は、特製の出汁と野菜本来の旨味を生かした夏野菜の含め煮です。
季節のうつわは「江戸切子霰紋蓋向」です。霰紋は、地面に降る霰を図案化したもので、古くから多用された紋です。この他に細かいカット交差の魚子紋、麻の葉図案の糸麻の葉紋、麻の葉紋、さらには矢来紋、雲の巣紋、底菊紋、七宝紋、市松紋、菊繋ぎ紋など様々な紋が作られました。江戸切子の風情と技が現代に継承されています。
蛍が宇奈月公園の小川で、飛び交うようになりました。黒部川の川風が涼やかに感じられる季節です。黒部川の河原から河鹿の鳴き声も心地よく伝わってきます。器と料理で涼を表現します。
季節のうつわは「仁清色絵団扇形小鉢」です。見ているだけで川風が感じられます。
富山湾の夏の味覚に栄螺(サザエ)の壺焼きがあります。栄螺を出汁で含め煮にして、もろみと和辛子を和えます。サザエの旨みに出汁ともろみが合わさり、和辛子の辛味が残暑の暑気を払ってくれます。滞在料理の一皿です。
合わせる地酒は、富山市岩瀬の桝田酒造の「満寿泉大吟醸」です。北前船の寄港地として栄えた、港町に佇む歴史ある酒蔵です。
季節のうつわは、「染付木ノ葉形平皿」です。白磁に染付の藍青色が涼やかさを感じさせます。
黒部川河口近くに生地漁港があります。ここにでは大物ののど黒が多く集まります。脂の乘ったのど黒のしゃぶしゃぶは通年で食すことができます。お造りもお勧めです。脂が多いので、炙りにすると、より美味しくいただけます。合わせる地酒は、勝駒純米酒です。
季節のうつわは「江戸切子八角籠目紋蓋向」です。八角籠目紋は竹籠の八角網目を連続させた図案です。魔除けとして使われた文様です。江戸切子には下町の職人の技が詰まっています。
延楽雅膳の一皿は、鮑と夏野菜の含め煮です。日一日と暑さが増し夏野菜が旨くなります。夏野菜に出汁を絡ませると更に旨くなります。柔らかな煮鮑は、よく合います。
季節のうつわは「色絵波絵蓋向」です。波絵は夏にふさわしく、波をモチーフにした図案を加飾したものです。蓋物の他に小鉢、皿、向付、など波の絵付けがされているものが多くあり、作家や産地によって表現が違います。
江戸時代から波、千鳥、流水など琳派で使用された図案が使われ、その他に身近な植物、昆虫に至るまであらゆるものをデザイン化して器に取り入れています。現在ではその写しを見ることができます。料理と器の妙は、奥深い味わいです。